奈良・法隆寺の五重塔は、1400年以上経っても倒壊した歴史がありません。この古塔からは、日本の伝統建築における「職人気質」がよくわかり、その「技と知恵」は日本の建築文化にも脈々と受け継がれています。現在、住宅の近代化による建築技術の発展により、日本の建築物は一般に耐久性が高くなりましたが、その反面、深刻な老朽化、設備の陳腐化、インフラ更新の遅れなどの問題もますます顕著になってきています。
日本の建築市場は上述の通り厳しい試練にさらされていると言えるでしょう。一方で、マンションなどの住宅のインターネット市場は安定して成長しており、ネットワーク機器の信頼性と保守性に対し、より高い要求が求められています。他方で、日本古来の建物のスイッチ市場では、高まる市場ニーズを満たすために、リニューアルとアップグレードが急務となっており、さらに、一般的に住宅が狭いという日本の特質と相まって、いかにして従来の建物に新たな活力を与えるかが現実的な問題となっています。
集合住宅向けインターネット接続サービスを提供するマンションISP(インターネット・サービス・プロバイダー)事業者であるファミリーネット・ジャパン(以下、FNJ)は、これまで55万世帯以上の家庭に「全戸一括型インターネット接続サービス」を提供しています。H3CとFNJは、日本の建物に共通するインターネット接続へのニーズに応えるため、緊密に協力し、マンションISP事業者特有のニーズに合わせ個別開発を行い、マンション向けコンパクト・スイッチであるS5000PV5-EI-Sをリリースしました。「故障ゼロ」でお客様に認められたこの先進的なスイッチは、業界のモデルとなり、今後日本のマンション業界向けソリューション構築のための強固な基盤を築いています。
S5000PV5-EI-Sシリーズスイッチ、リニューアル・アップグレードが迫る日本のマンション市場で独自の価値を発揮
FNJは、日本でトップクラスのマンションISP事業者として知られ、インターネット接続サービスやマンションをベースとした一連のITシステムインテグレーションサービスを提供しています。さらなる安定性向上や低消費電力化、セキュリティ強化に向けて、ハードウェアとソフトウェアの面においてリニューアルを日々検討していくことが必要であり、これはまさに日本のマンションISP事業者用スイッチ市場全体が抱えている課題です。
設置スペースが限られた日本のマンション用スイッチ市場は、イノベーションを起こすことが極めて難しく、次第に「古くて保守的」というレッテルを貼られてきました。近年、デジタル情報技術の高度化に伴い、日本のマンション用インターネット市場は、高まるニーズに応えるため、リニューアルとアップグレードが急務となっており、スイッチのリニューアルはその矢面に立たされています。特に日本のマンション環境の特殊性から、スイッチに対する特有のニーズがあり、例えば、ハードウェア面では、設置スペースが限られる日本のマンションでは、スイッチのコンパクト化、ファンレス化、電源内蔵化などが求められ、ソフトウェア面では、VLAN、ポートアイソレーション、ループ検知などの機能が求められています。
H3Cは、日本のマンション特有のスイッチへのニーズに着目し、コンパクト、高性能、簡単設置、ファンレス、電源内蔵、高耐久性など、日本の集合住宅及びビル環境に最適なS5000PV5-EI-Sシリーズを開発しました。このスイッチシリーズは、「イーサネットポート+光ポート」の組み合わせにも対応しており、さまざまなユーザーのネットワークニーズに適応でき、ハードウェアの安定性とソフトウェアの可用性を大幅に向上させています。さらに、S5000PV5-EI-SはIRF2(第2世代インテリジェント・レジリエント・フレームワーク)技術もサポートしており、複数の物理デバイスを相互接続して単一の論理デバイスに仮想化することができ、これにより、管理の簡素化、サービスの簡素化、レジリエンスと拡張性、高信頼性、高性能など、多くのメリットをユーザーにもたらしています。
セキュリティ管理の面においても、S5000PV5-EI-Sは信頼性の高いセキュリティ機能を有することにより、ARPスプーフィング攻撃、DoS攻撃、MACアドレス攻撃、不正なアドレスのなりすまし、プライベートDHCPサーバーの構築を効果的に防ぐことができます。また、このスイッチはポート速度制限とトラフィック制限機能を備えているため、ネットワーク帯域幅の悪意ある侵害を防止できます。その強力なマルチサービス機能は、豊富なIPV6サービス機能と、CLI(コマンドライン・インタフェース)、Webベースのネットワーク管理、Cloudnetを含む複数のIPv6管理方法をサポートしており、デバイス管理がより便利で、SSH2.0などの暗号化方法で管理がより安全になっています。
高性能マネージドスイッチへの旺盛な需要が、日本のマンション市場の変革を牽引し続ける
豊富なラインアップで最先端の性能を持つS5000PV5-EI-Sは、2023年から集合住宅のネットワーク構築に採用されています。その後、S5000PV5-EI-Sは、「2024年現在までダウンタイムゼロ」の高品質と、日本のカーボンニュートラル目標やグリーン開発コンセプトに沿ったグリーン・省エネ設計により、FNJの標準購入品となりました。それ以来、日本のマンション用スイッチ市場に適した専用モデルとなっています。これはH3CがFNJとの協力体制において良い関係を築いたことを意味し、今後も日本のマンションの革新と発展を継続的に後押しする上で画期的な意義があります。
H3CとFNJの協力による日本のマンション専用スイッチシリーズの誕生は、H3CがマンションISP市場で存在感を示す先例となるだけでなく、古来のマンション用スイッチ市場に新しい風を吹き込んでいます。日本のマンションISP市場では、極限環境における製品の保守性、信頼性、個別カスタマイズに対する市場の要求が非常に似ており、大手企業がより集中化され、情報共有が頻繁であるという事実も相まって、FNJの成功事例とナレッジは、H3Cが同業界のお客様とのビジネス機会も増やしています。現在、いくつかの大手マンションISP事業者がH3Cの関連機器のテストを行っていると報告されており、日本のマンション・インターネット市場の強い需要が見込まれます。
日本のマンションのリニューアルとアップグレードをより良く支援するため、H3CとFNJは協力を深め、10Gルーターやスイッチなどの新しい分野でPoC(お客様の特定の用途に対する検証テスト)を共同で実施しています。その中で、10GルーターのMSR1008はテスト済みで、まもなく展開される予定であり、10GファンレスアクセススイッチのES4200-8MGはテスト中です。両社は手を携えて、マンション用インターネットサービスの分野で包括的な協力を展開し、より多くのモデルプロジェクトを構築し、業界の変革を促進し、日本のマンション市場における革新と発展の新たな時代を切り開いていきます。
デジタルインテリジェンスの新時代では、デジタル技術と経済成長の深い統合に伴い、最先端のテクノロジーと革新的な変化を取り入れることが大きなトレンドとなっています。未来を見据え、H3Cはその先進的なICT技術、製品、ソリューションに基づき、FNJやその他のパートナーと手を携えて、マンション業界向けにより包括的で完璧なソリューションを開発し、日本のマンションの高品質な発展を後押しすると同時に、「Together, for A Digital Future」という国際市場開拓のコンセプトをもとに、マーケットインのアプローチで、国内外のお客様に対し、より地域に根ざした価値とプラットフォームを提供し、共に新しいデジタルの未来を創造していきます。